■不動産を財産分与する流れ
不動産は「清算的財産分与」に分類されると説明しましたが、不動産をはじめ自動車など、夫婦の所有する財産は、離婚後の生活設計も視野に入れて分与をする流れとなります。
なお不動産については、離婚後「今の場所に住むのか、手放すのか」で手続が変わってきます。
▼不動産を財産分与する流れ(手続の方法)
離婚後今の場所に誰も住まない ⇒ 財産を売却
離婚後、夫婦のいずれかが同じ場所に住み続ける ⇒ 住む側に不動産を譲渡する
※ 賃貸物件を処分する場合は、返還される敷金を均等に分与する流れとなります。
▼不動産を財産分与する流れ(手順)
1. 不動産分与の合意
はじめに夫婦で、不動産をどう分けるのか話し合いをします(財産分与の合意)
2. 評価する
処分をする場合には、不動産を査定し売却額を均等に分与します。
3. 財産を分与する
売却をする場合は、どちらか一方が住み続ける場合は、必要に応じて不動産の登記を行います。
不動産をはじめとする清算的財産分与は「手続きが面倒」と言われています。その理由は、預貯金や現金と違い、一旦「現金に換算」してから価値評価する必要があるからです。
例えば、不動産を分ける場合には、財産価値を評価しなければなりません。
不動産の評価額には、時価、公示価格、基準地価、路線価、固定資産税評価額の5つがありますが、不動産会社に依頼をすれば、固定資産税評価額を基礎として「不動産の価値」が調査されます。
■不動産の財産分与と評価額
不動産の「評価額」は評価時期によって価格が変動します。このため、財産分与をする時点での評価額を財産分与の基準とします。なお、不動産などの財産は「いくらで売れるか」が重要視されますが、買ったときの値段は評価額として考慮されません。
評価額の計算については、素人で判断するのではなく、不動産業者など専門家に鑑定または査定を依頼するようにしてください。専門家に査定を依頼すれば、正確な価格を知ることができ、公平に財産分与をするのに役立ちます。