民法は契約の基礎となる法律で、「売買」や「賃貸借」の契約についても基本的な考え方が規定されています。
民法では、契約関係にある当事者同士が対等・公平であることが原則とされているが、土地や住宅など、不動産を売買するときや賃貸借するときには、事業者と消費者の間に交渉力や情報量等に差があるため、消費者に不利な取引にならないよう、民法とは別に消費者を保護するための法律も定められています。
1. 民法(法務省)
民法では、契約の成立要件や手付け、瑕疵担保責任など、契約の基本的な考え方が規定されています。
契約内容について、当事者間で争いがあった場合や取り決めがない場合には、原則として民法に基づき解決する
ことになります。
2. 宅地建物取引業法(国土交通省)
宅地建物取引業法では、宅地建物取引業者が自ら売り主となる売買契約について、消費者保護の観点から、民法の規定にかかわらず、契約内容の一部に制限を加えるなどの規制があります。
具体的には、手付金や違約金等の金額の制限、瑕疵担保責任に関する制限が設けられており、これらの制限に違反する契約条項は無効となります。
一方、賃貸借契約の内容に関しては、宅地建物取引業法に特別な規制はなく、原則として、借地借家法、民法、消費者契約法などに基づいて取り扱われます。
3. 借地借家法(法務省)
賃借人保護等の観点から、土地(建物の所有を目的とするもの)及び建物の賃貸借契約に関して、民法の規定に優先して適用される法律であります。
例えば、土地の賃借権の存続期間や更新、建物の賃貸借契約の期間や更新・終了などについて定められ、あわせて定期借地や定期借家などについても規定されています。
また、借地借家法には、当事者で法の規定と異なる合意をしても、借地借家法の規定が適用される条項(このような規定を「強行規定」という)も含まれています。
3. 消費者契約法(内閣府)
消費者契約法は、事業者と消費者には交渉力や情報量等に差があることから、事業者と消費者との間で締結された契約(これを「消費者契約」という)を対象として、消費者保護の観点から、民法に優先する規定を設けています。
具体的には、事業者の不適切な行為の結果、消費者が誤認、困惑したまま契約を締結した場合は、その契約を取り消すことができます。
また、契約内容に消費者の権利を不当に害する条項がある場合には、その契約条項を無効とすることなどが規定されています。
(参照元:国土交通省「日本における不動産取引に関連する法律」)